リハビリと栄養
こんなにリハビリしてるのに何で筋力がアップ
しないのかな?負荷量やフォームも良いし。と
思うことありませんか?そんな時は栄養不足
を疑ってみましょう。
サルコペニア、低栄養のフレイリティサイクル
を理解するとより、効果的なリハビリが
できると思います。
回復期病棟と低栄養
高齢者の低栄養患者は一般病棟よりも
回復期病棟に多く、回復期リハ病棟協会
の栄養委員会の調査では37%の入院患者に
低栄養を認めたとのことです。
参考:リハビリテーション栄養への取り組み|株式会社クリニコ
栄養がエンプティの状態では筋力アップしない。
むしろダウンすることも考えられます。
低栄養(PEM)とは
栄養素の摂取が生体の必要量より少ない時に
起こる体の状態。健康的に生きるために必要な
量の栄養素が摂れていない状態。中でも特に
タンパク質とエネルギーが摂れていない状態
のことをprotein energy malnutrition(PEM)
タンパク質、エネルギー欠乏症と言います。
引用:低栄養 / PEM | e-ヘルスネット(厚生労働省)
筋肉を作る源である、タンパク質が足りない、
エネルギーも足りないのであれば、運動は
かえって逆効果になることも考えられます。
低栄養のサイン
① BMI
体重(㎏)÷身長(m)×身長(m)
20以下で低栄養
②体重減少率
(通常の体重ー現在の体重)÷通常の体重×100
1か月で3%以上
3か月で5%以上
6か月で7.5%以上
で、低栄養。
③アルブミン値(タンパク質)
基準値3.9g/dl 3.5未満は要注意
④総コレステロール値(コレステロール)
※男女でも異なります。
基準値150~219g/dl
⑤ヘモグロビン値(貧血の有無)
男性:14~18g/dl
女性:12~16g/dl
低栄養と要介護
令和元年国民健康・栄養調査結果の概要に
よると、65歳以上の低栄養傾向(BMI20以下)
は男性12.4%女性20.7%
要介護高齢者は20~40%
入院中の高齢者は30~50%とのことです。
年齢が上がるほど、介護が必要な方ほど、
低栄養率は上がる傾向にあるといえます。
Fraility、フレイルとは
〇Fraility:
海外の老年医学会で使用される英語。
日本語訳は「虚弱」「脆弱」「老衰」
〇フレイル:
日本老年医学会が正しく介入すれば戻る
という意味を強調するために2014年に提唱
フレイルの基準
<Friedの基準>
1.体重減少
(意図しない年間4.5㎏または5%の減少)
2.疲れやすい
(何をするにも面倒だと週に3~4日感じる)
3.歩行速度の低下
4.握力の低下
5.身体活動量の低下
1~2項目該当:プレフレイル
3項目以上該当:フレイル
サルコペニアとは
加齢や疾患により、筋肉量の減少及び
筋力低下のこと。
サルコペニアの診断基準
<3つの指標を用いる>
1.握力の低下
男性:28㎏未満 女性18㎏未満
2.身体機能の低下
以下(1)~(3)の中から実施
(1)歩行速度:6m歩行1m/sec未満
(2)5回椅子立ち上がり12sec以上
(3)Short Physical Performance Battery9以下
3.筋肉量の低下
両上肢、下肢の筋肉量を算出するBIA、DXA
上下肢の筋肉量を身長(m2)補正した値SMI
握力は全身の筋力のスクリーニングとして
よく用いられますね。それに加えて機能面と
筋の量で判断されているようです。
frailitycycle
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
低栄養とサルコペニアが更なる
低栄養とサルコペニアを呼び込む
ことがわかります。
栄養を改善しなければ、このサイクルを
止めることはできません。
まとめ
まず食事について把握する。
何を食べてる?
どれくらい食べてる?
何時ごろに食べてる?
入れ歯に不具合はないかな?
普段の会話の中からも色々な
情報が聞き取れると思います。
適切な栄養と運動で
効果的なリハビリしていきましょう。
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