患者さんからのクレーム
患者さんから、クライアントから、
「担当者変えてください」
と言われてしまった時、どうしたら
良いでしょうか。
患者さんのわがまま?
それとも担当者の対応が至らなかった?
施設によって解釈がかわりやすいようです。
あなたなら、どう考えますか?
病院でのクレーム処理の特徴
病院で患者さんから担当者変更などの訴えが
あった場合は「単なる患者のわがまま」と
してスルーされやすい。という特徴があり
ます。
これは病院と患者の立場に強弱が生じている
ことに原因があると思います。
立場の弱い患者さんの事情
入院患者さん自身、ご家族の想いとしては、
せっかく入院できたのに、何かあって転院
させられたりクレーマーとして扱われたら嫌
だな。という想いを抱いていたり、
通院している患者さんでも、すごく並んでいて、
忙しそうだし、なかなか言えないな。
我慢しようかな。という想いを抱いています。
このため、何か不都合があっても、なかなか
言い出せない場合が多いと思います。
医療保険など公的保険で支払っているため、
通院していても1回あたりの支払う金額が
自費の施設よりも安いのも特徴です。
そんな思いで我慢していたことをようやく、
口にしたとしても、やはり入院させてもらって
いる患者さんと、入院させている病院側では
立場の違いから、「当院の規則がご希望に沿え
ないのであれば他院へどうぞ。」なんてことに
なることもあります。
病院を選んで来たはずが、いつしか病院に
選ばれる患者になろうとしている方も
少なくないと思います。
立場の強い病院側の事情
一方、病院の事情として、
少ない従業員で患者さんがたくさんで忙しい。
なるべく気持ちを汲み取りたいとは思うが、
ある程度の決まりやルールには従ってほしい。
といった考えがあります。
また、病院以外の施設などと比較すると、
1人転院してもすぐに新しい患者でベッドが
埋まります。口コミで多少悪い噂が出ても、
必要があれば、患者さんは病院に集まって
くるため、急に経営破綻することもない。
と、あぐらをかいた気持ちの経営者もいる
と考えられます。
こうなると、もう、
一人一人への顧客満足度を追求する必要性も
低くなってしまいます。
実際に私が以前働いていた病院でも、
「病院に接遇はあまり必要ない。」
と院長が言っていました。
なぜ?と思ってしまいました。。。(汗)
病院以外の施設の考え方で多いもの
ここでの病院以外の施設とは、
デイサービスや訪問看護ステーションなどの
在宅の分野や整体院やパーソナルトレー
ニング、オンラインレッスンなどの自費分野
のことを指します。
このような場での患者さんやクライアント
からの担当者変更などの訴えはクレームと
して重く受け止められ、実際の担当者変更
や謝罪がある(場合によっては担当者の上司
や責任者からの)ケースが多くなります。
ここでもやはり、お互いの立場の強弱が働い
ていると思われます。
立場の強いお客さんの事情
また、介護保険の利用者は基本的に高齢者が
ほとんどであるため、少し身勝手な考えや訴え
が多くなることもあります。認知症などを有し
ている方は尚更です。
また、自費のサービスを利用されている方は
支払った金額に対して見合うサービスを
しっかりと受けたいと考えます。
それ以上のサービスを求めることもあります。
「(自費で)こんなに払ってるのに・・・」
「自分の自宅なんだから、自分が主導権を握る」
と考えている方が多いと思います
この事から病院以外の施設では
お客さんの(患者さん、利用者さん)立場は強く
なります。
立場の弱い病院以外の事情
「お客様は神様です。」といった言葉が昔
ありましたが、お客さんの立場が圧倒的に
強い。強いというか、従業員側がへりくだり
過ぎている言葉のように思えます。
病院以外の施設の事情としては1人1人の
客単価が高くなることから、1人を失った
場合に経営に与えるインパクトが強く
なります。また、競合も多く、失った穴
をすぐに埋められるとは限りません。
SNSや口コミなどからの影響も大きく、
悪い噂や口コミが命取りになることも
あります。
介護保険の施設では利用者さんをケアマネー
ジャーさんから紹介してもらっている都合上、
クレームや利用中止などの訴えが多くなると、
信用に傷がつきます。
むしろ多少の困難ケースも安定して受け入れら
れる施設と認められれば次回もその次も紹介し
てもらえる可能性が増えるといった事情があり
ます。
クレーム処理の考え方 まとめ
患者さんを選ぶ病院の事情、
お客さんに選ばれるようにすることを
目指す病院以外の施設の事情、
それぞれ立場によって対応が分かれて
くると思います。
病院でも病院以外でも働きましたが、
あまりの対応の違いに驚いてしまいました。
なんでもクレームとして処理して、
担当者に始末書を書かせたり、謝罪させ
ることを続けていると、従業員の士気が
下がります。一方、クレームの中には
重要なポイントとなるものも多く、
真摯に受け止めて反省し、これからの
営業に活かす事も重要です。
患者さんやお客さんの無理難題や理不尽
なクレームや担当変更の希望なのか、
担当者の不手際や失礼が原因だったのか、
何が原因なのか、しっかりと整理すること
が重要だと思います。
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