訪問のリハビリの仕事

訪問のリハビリの仕事

利用者様のお宅に直接訪問する、訪問リハビリの仕事について

経験も踏まえて解説します。

訪問看護ステーション、クリニックからの訪問リハビリなど、

お宅への訪問の仕事へ転職や副職、起業を考えている方、参考にどうぞ

➡訪問看護、訪問リハビリとは? 

〇訪問看護とは

訪問看護サービスを提供する事業所(株式会社など)

訪問看護の一部としてリハビリを提供する

🎵看護師とリハスタッフの連携がとりやすい

〇訪問リハビリテーションとは

訪問リハビリサービスを提供する指定を受けた事業所

(病院やクリニック老健など)

🎵医師と連携がとりやすい

➡給料、休みについて

〇給料について

固定給、固定給+歩合、歩合制のみ、などあります。

一般的に病院やクリニックで働くよりも高給なところが多い印象です。

歩合制の場合、1件当たり〇〇円となっています。

1日何件くらいの仕事があるのか?(依頼件数、訪問範囲、移動時間など)

ボーナスや手当は?など、しっかりと調べる必要があります。

〇休みについて

土日休みが多いですが、日祝の営業で他社と差をつける事業所もあります。

病院などと同じように、週休2日で有給等もあるところが多いようです。

有給をとる際は他日などで振替を提案します。

注意する点は、家の中に入る特性があるため、他のセラピストはNGと

なることがあります。キーボックスから鍵を取ることもあり、個人情報に

触れる機会があるので配慮が必要です。

また、振替時には他のサービスの有無(ヘルパー訪問などと時間がかぶらないか)

やご家族(外出、来客)の予定などを配慮する必要があります。

➡訪問のリハビリ対象となる方、サービス開始まで

〇対象となる方

1.介護保険の認定を受けた方(要介護、要支援の方)

2.難病(厚生労働大臣が定める疾病等)や重度心身障害などの公費負担

3.上記1もしくは2で主治医の指示書がある場合(リハビリが自宅での必要と医師が判断した場合)

比較的病状が安定した在宅療養中の方、通院が困難な方が対象です。

介護保険適用の高齢者、難病の方、小児疾患、精神疾患の方

など多岐に渡りますが、介護保険適用の高齢者のご利用が一番多いです。

〇サービス開始までの流れ

本人や家族から担当ケアマネなどに希望を伝え、

主治医の許可(指示書)が出ればリハビリが可能です。

ケアマネージャーから事業所に依頼があり、リハビリが出来るといった流れです。

ケアマネージャーや主治医には1か月に1回の計画書と報告書を送ります。

他にもサービス担当者会議(オンラインもある)や電話やFAXで連携します。

➡必要なスキル、身につくこと5選

1.コミュニケーション能力

ご家族、事業所内の看護師、他事業所のケアマネージャー、

ヘルパーさん、主治医など、色々な人と連携をとる必要があります。

会社や事業所ごとにカラーが異なるため、名刺をもらった際

それぞれの事業所の特徴や担当者の特徴を整理しておくことも重要です。

2.接遇、マナー

病院と異なり、相手の陣地(自宅)へ入らせて頂く訪問です。

本人やご家族に敬意を払い、マナーなどにも注意が必要です。

そのつもりがなくても、横柄な態度だと思われてしまえば、

クレームに繋がり、本人と家族だけでなく、ケアマネからも

仕事の依頼が来なくなります。

3.営業、プレゼン能力

依頼はケアマネージャーから頂きます。

地域の居宅介護支援事業所や包括に営業に行くことは必須です。

他の営業職でもそうですが、冷たくあしらわれる事もあります。

ケアマネージャーは基本的に、すでに親交のある、既存他社へ

依頼をかけます。新しい事業所を知らないからです。

新しく地域に開設した場合は特に、泥臭い営業活動は必須です。

パンフレットやチラシを持参したり、勉強会や介護予防教室を

主催してケアマネージャーも招待したりします。

積極的なアピールで依頼に結び付けます。

依頼を頂いてサービスが開始されてからも書類を持参して利用者の

近況やリハビリの進捗について直接報告することもアピールに繋がります。

リハビリが必要な時に「あ、○○事業所の○○さんにお願いしよう」

と指名で依頼が入ることもあります。

4.フィジカルアセスメント

高齢者の利用が多い特性上、行った先で利用者さんが倒れていた。

なんだか具合が悪そう。なんて事もあります。

病院には医師や看護師など他に頼れる人がいますが

自分ひとりで判断しなければいけない場面もあるでしょう。

いつもと何が違うのか、すぐに救急要請が必要なのか?

明日病院に行けば良いのか?など判断能力が問われます。

事業所のマニュアルをしっかりと把握し、一人で判断がつかない場合は

事業所の所長などに素早く報告して相談するなどが必要です。

5.危機管理、予測する力

認知機能低下している方の家を退室する際に

何か危険な事はないのか?チェックが必要です。

実際の例として、

・服薬管理ができていない

・キッチンコンロの火がついている

・水漏れしている

・夏場に痛んでいる食材を食べている様子

・家族などからネグレクトやDVを受けている事が疑える

・リハビリ中にオレオレ詐欺から電話がかかってくる

ケアマネージャーなどに報告してチームで対応策を考える必要があります。

リハビリをするだけではなく、

家の中の様子や生活に異常や変わりはないか?

自宅に訪問することの意味に安否確認も含まれていることを

自覚する必要があります。

➡まとめ

リハビリだけをやれば良い訳ではないというのが大きな特徴です。

謙虚な気持ちでその方の家にお邪魔させて頂いて、生活を見せて頂きます。

何が起きているか、今後は何が起きそうか考えてアプローチします。

他社や他院、他事業所のスタッフと連携をとります。

色々な人と関わる必要があるので、コミュニケーション能力も問われます。

大変な仕事ではありますが、

しっかりと関わっていければ、とても頼りにされ、やりがいも感じます。

これからは地域包括ケアシステムが進み、在宅の時代が始まっています。

訪問の仕事は不可欠であると思います。