ボケと老いの違い
認知症と高齢に伴う物忘れは何が違うのでしょ
うか?違いがわかりにくく、カルテに
「あのひとニンチだから・・・」
なんて書いていませんか?そもそもニンチって?
認知症ケア専門士の勉強を始める方、なんだか
認知機能について興味のある方、認知症のケア
に関わる方々、一度簡単に整理しましょう。
物忘れと認知症の違い
物忘れの場合は
体験の一部を忘れてしまします。
ヒントがあれば思い出すことができ、
物忘れの自覚があります。
(例)
昨日の夕食何を食べたか忘れた。
認知症の場合は
体験や経験まるごと抜け落ちます。
ヒントがあっても思い出せず、
物忘れの自覚はありません。
(例)
30分前にご飯食べたか思い出せない。
脳の違い
①正常な若年者の脳
大脳皮質厚さ2~4ミリ
神経細胞びっしり集まっています。
脳溝(しわ)と脳回(膨らみ)
が詰まっています。
脳重量は1000~1500gです。
②老化した脳
脳全体に軽度の萎縮しています。
脳回が細くなります。
脳重量は1000~1400gです。
③アルツハイマー脳
脳全体に高度の萎縮があります。
特に海馬や側頭葉などの萎縮がみられ、
神経細胞の内外には異常タンパクが
多数確認できます。
脳重量は900~1000gです。
アルツハイマーの脳の萎縮
海馬、海馬傍回、扁桃体などの大脳辺縁系の
萎縮が特に強くなります。
側脳室、外側溝が開大する特徴があります。
よって高度記憶障害が引き起こされます。
側頭葉、頭頂葉へ萎縮が拡がり、
見当識障害が現れます。
まとめ
年齢にふさわしい物忘れと認知機能の低下
の違いについて考えました。
ポイントは体験の一部を忘れる、物忘れか
それとも体験まるごと忘れてしまう認知症か
高齢者を敬いつつ、お話する際には失礼の
ないようにしましょう。
-
前の記事
メタボとロコモ 2022.04.25
-
次の記事
糖尿病療養指導士が行う運動療法 2022.05.04